歯と治療をこわすクセ!
上下の歯、いつもさわっていませんか?
みなさんの上下の歯はなにもしていないときどんなふうになっていますか?
軽く接触していますか?
なにもしていない時私たちの上下の歯は本来接触しません。
唇を閉じていても、歯は軽く離れているものなのです。
上下の歯は食べたり、話したりする時に合わさるだけです。
1日の接触時間をトータルしてもわずか20分以下です。ところが仕事をしている時、考え事をしている時など、習慣的に上下の歯をさわらせている方がいらっしゃいます。
歯を合わせるクセのある方は本来の仕事以上の過酷な労働を、歯や歯の周りの組織、そして噛む筋肉に負担をかけています。
歯が傷みやすい、あごの骨(歯槽骨)が減りやすい、被せものが壊れやすい、噛み合わせの違和感を生みやすい、顎関節床になりやすいなどいろんな弊害の原因になってしまいます。
そこで無意識に続けているクセがお口の健康にいかに過酷なリスクを与えているかについてぜひ知っていただきたいです。
今回は、
1、歯が傷む!欠ける!
詰め物に余計な負担がかかり続けているとその周りの歯が傷んで欠けやすくなります。
歯が傷むことで詰め物が外れやすくなったり、傷んだところから虫歯になりやすくなってしまいます。
軽い力であっても習慣的に圧迫され続けると、エナメル質が傷んで細かいヒビが入り微細なカケラとなって剥がれ落ちます。
力が集中してかかりやすい歯の根本近くは特にエナメル質の傷みやすい場所です。
ついにはエナメル知ってが欠けて柔らかい象牙質が剥き出しになってしまいます。
虫歯や知覚過敏の原因になります。歯ブラシが強く当たるとさらに削られ汚れも溜まりやすくなります。
2、歯周病の治療の効果が上がらない
歯周病はプラークの中に潜む歯周病菌が引き起こす病気です。
はじめは歯ぐきに炎症が起きさらに進むと歯の周りの組織も炎症で破壊されて歯がグラグラして最後は歯が抜けてしまいます。
治療方法は徹底的にプラークや歯石を取り去って歯周病菌を減らすことです。
歯ぐきの奥に隠れたプラークや歯石をセルフケアや歯科医院で徹底的に取り除いたりお口を清潔に保ちましょう!
治療を受けて歯ぐきの炎症が収まっても歯の接触グセのために余分な負担がかかり続けると悪化に繋がります。
1度破壊されてしまった歯の周りの組織を回復させるのはとても難しいです。
特に余分な負担が持続的にらかかるとせっかく治療しても歯槽骨は回復するどころな更に減って歯周病が悪化してしまうことがあります。
グラグラし始めている歯に歯の接触させるクセが加わると状態の悪化が早まってしまいます。
3、治療がこわれる!
被せ物や詰め物は、それ自体は金属やセラミックなどの材料で作られていて十分な耐久性があります。
しかし被せ物や詰め物に長く負担がかかり続けたり、そのことによって歯が傷むなどすると外れやすくなってしまいます。
歯の接触グセの影響を受けやすいのがブリッジだと考えます。
歯と歯の間に連結させてるある被せ物なので持続的に偏った力がかかり続けるとダメージも受けやすいです。また詰め物も同様で余計な負担がかかり力が偏っているとテコの原理が働き外れやすくなってしまいます。
普段上下の歯が接触ないか確認してみてください。そのクセをやめることができると被せものや詰め物を長持ちさせることができるかもしれません。
4、顎関節症のリスクを減らそう!
上下の歯を接触させるクセが顎関節症に与える影響についてお話しします。顎関節症の原因について噛み合わせが悪いからなるのではないかと考えられていたのですが噛み合わせが悪くても顎関節症に、ならなら方もいらっしゃいます。そこで歯を接触させるクセがあると悪い噛み合わせの影響が顎関節に出やすくクセがないと発症しにくいのではと考えられています。
噛み合わせに問題がなくても歯の接触グセがあり他のリスクまで持ち合わせていると顎関節症になることがあります。
<顎関節症のリスク>
•手枕、腕枕(下アゴ大きな負担がかかります)
•休憩なしのPC作業(猫背は首や肩の筋肉に負担がかかります)
•歯ぎしり(知らない間にアゴに負担がかかります)
•ストレスのかかる仕事(ストレスのかかる仕事や車の運転、受験勉強などで緊張が続くなど。。
もし、アゴがパキッといって痛んだり、シャリシャリと音がしたりする方は顎関節にかかっている負担を減らし顎関節症の悪化を防ぎましょう。
5歯を離してリラックス!
今までご説明させていただいた上下の歯
を接触させるクセのことをTCH(Tooth Contacting Habit)と言います。
もし、ご自身にTCHがあると気づいたら「常に意識をして気をつけなければ」と頑張る必要はありません。慣れないことを強行するとかえって緊張や疲労が強まってしまうからです。
そこで、ふとした時に歯を離してリラックスする方法をお伝えします。
職場やご自宅などで目に留まる場所にメモを貼ります。メモでなくて絵でも大丈夫です。
こうすることでいつも意識していなくても気をつけることができます。
ふと目にした時にリラックスするきっかけになればいいのです。ため息をつくように息を吐き出しながら顔面から上半身までの力を脱力してください。
脱力になれてくると「歯が接触していると疲れる」という感覚を少しずつ感じられるようになってきます。次第に歯が接触すると気付くようになってくるでしょう。
まずは一瞬のリラックスからはじめてみましょう。