シーラントとの付き合い方
⚫︎シーラントはご存知ですか?
保護者の方なら一度は聞かれたことがあると思います。
シーラントというのは奥歯にある深い溝を封鎖する予防処置のことです。
お子さん虫歯予防に使われます。
seal(封鎖)ant(するもの)というのが名前の由来です。
正式には[フィッシャーシーラント]といいます。
(fissureは亀裂や溝のことです。)
⚫︎シーラントは奥歯にすることが多いです。
奥歯の溝は複雑な形をしていて食べかすやプラーク(細菌の塊)がたまりやすい場所です。
人によっては溝がとても深く歯ブラシの毛先が届きにくいです。
そのままだと虫歯菌が住みついていきます。
生え始めたばかりの永久歯は歯の質が弱く虫歯菌の出す酸にとても溶けやすい状態で虫歯になるリスクが高いです。
そこで奥歯の溝をあらかじめ合成樹脂などで埋めて歯ブラシの毛先が届かない場所に食べかすや細菌が入り込まないようにするのがシーラントです。
虫歯になったところを削って詰めるのと違い虫歯になる前から虫歯のリスクが高い所を削らずに詰める予防処置です!
今の子供達に虫歯が減ってあるのもこのシーラントのおかげだも思われます。
シーラントが必要な例
⚫︎奥歯の溝が深くプラークごたまっている
⚫︎奥歯の溝が初期虫歯になりかけているまたはなる可能性が高い
⚫︎あごが小さく、歯ブラシが奥歯に届きづらい
⚫︎ほかの歯が虫歯になっている
⚫︎虫歯になりやすい食生活をしている
⚫︎フッ素入りの歯磨き剤を使っていない など
シーラントが必要ない例
⚫︎奥歯の溝が浅くプラークがたまっていない
⚫︎ほかの歯に虫歯がない
⚫︎虫歯になりにくい食生活をしている
⚫︎フッ素入りの歯磨き材を使っている など
シーラントはこんなふうに入れていきます。
1、奥歯の状態を診る(シーラントが必要な場合)
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2、歯面の表面の清掃をする
↓
3、唾液が入らないようにする
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4、下処理をする(歯の表面をほんの少しだけ溶かしてザラザラにする)
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5、水洗•乾燥する
↓
6、シーラントを塗る
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7、シーラントを固める
↓
8、かみ合わせの調整
↓
定期検診へ
シーラントと賢く付き合う3つのポイント
★シーラントは入れて終わりではありません。
噛んでいるうちに一部がはがれ落ちて微細な段差にプラークが溜まって虫歯になってしまうこともあります。歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう
★★
第二大臼歯にシーラントを!
第二大臼歯は小学校6年生〜中学校1、2年生ころに生えてきます。
中学生くらいになると部活や塾で忙しくなり歯科受診が難しくなります。
知らない間に虫歯ができていたなんてことがないように定期的受診をおすすめします。
★★★
シーラントに過信は禁物
シーラントを詰めたからといって「虫歯予防はもう大丈夫」と思ってしまうのは勘違いです。
シーラントはあくまで奥歯の溝に対してする予防処置です。歯と歯の間には効果がありません。ですので歯と歯の間の清掃にはデンタルフロスを使って頂くと効果的です。